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夢一夜

朝目覚めたら病院のベッドで点滴を受けていた。
深夜1時頃からプラグが切れたようで状況を理解するまでにしばらくかかった。
映画かと思った。


看護婦さん:以下K「あら、起きたのね」
自分:以下M「ここはどこですか」
K「池尻大橋」
M「どうして僕はここにいるんですか」
K「アル中」

..アル中?呆然とした。俺が?
しかし目の前のテーブルには母親の置き手紙と3万円が置いてあるではないか。
(用事があるので帰ります。着替えを置いて行きます。
また迎えに来ます。7/20 午前9時)

それにしてもシャツは汚いし、スラックスは湿っている、ネクタイはどこだ?
半信半疑のままトイレに出ようとすると
「これを引いて行って」と点滴の器具をガラガラ差し出される。



廊下に出てみると周りはパジャマ姿のご老人ばかりで
さしずめ日常の一コマといった自然な静寂に包まれ、白衣を纏った人々は忙しそうに、しかし手馴れた手つきで挨拶を交わしながら階段を昇り降りしている。

とりあえずここは病院に違いない。
とすると僕はどうやってここにたどり着いついたのか。



用を足し鏡を覗くと、顔半分に青たんが複数あって腫れている。
ひどい顔だ。傷に触れ痛みに表情を歪めていると
若いドクターらしい人物が呆れ返るように蛇口をひねり鏡越しに語りかける。

「やっちゃったね~」

「そうなんですかね、何も覚えてないんで」
こう苦し紛れの言い逃れをする他ない、まだまだ事態が把握できないのだから。




吐き気は続いていた。白昼夢よろしく真っ白な廊下を抜け
病室に戻ると、看護婦さんがまだ寝てなさいと催促する
K「昨日は友達の結婚式だったんでしょう?お友達がスーツだったから。
相当呑んだのねぇ。」
M「そうです!」





そうだ、昨夜はすこぶるめでたい夜だった。

高校時代の友人が式を挙げ、二次会には旧友達が一堂に会し、無礼公などんちゃん騒ぎが朝まで行われたんだ。

僕はWマサヒロでkinki kidsの「もう君以外愛せない」を歌い
三次会はオルガン坂のHUBで終始上機嫌。
バラ色の夜、祝杯の音頭は止まらなかった。

そのままスクランブル交差点で紅一点をタクシーに乗せ、四次会で飲み直したのが
午前1時すぎ。
ビールを垂れ流した最後の記憶は大体1時半ってとこだ。
申し分ない宴に誰しもが酔いしれていたその時。



看護婦さんの話が事実だったとすると
僕が救急車に担がれたのが朝5時前だというから
それまでの空白の3時間半の間に一体何が起こったんだろうか。
この青たんはその時に作ったものなのか?

綺麗さっぱりぶつ切れだが、僕は自分のベッドで朝を迎えたんだとばかり思っていた。

そんなことを横になりながら巡らせているとそのまま意識が遠のいてしまった。





次に目覚めたのは昼下がり
といっても歪んだ太陽が猛威を振るう14時頃のことで
自身体は万事健康。
問題はないと判断を下したので携帯を取り出して友達にかけてみた。

信じられるかい?とても人情味溢れる愛のささやきが交わされたんだ。
「起きた?近所だから今から行くよ」


僕の涙腺はその率直な優しさに決壊しそうだった。


次に彼女に電話すると、完全にドン引きされた。
まぁ無理もないだろう、これが現実だ。
新歓でもあるまいし、我ながら恥ずかしくてしょうがない。


母親は出なかったが充分一人で帰れそうだったので僕はボンヤリと腰掛けながら友人の到着を待っていた。
これで全てがはっきりする、
それにしてもこの温かみに触れたのはいつ以来だったろう
じんわりと溶ける新緑の心地良い反射。
琴線を爪弾く柔和な曲線。
思えば病院の世話になったことすらほとんどなかった。


少しすると硬質なかかとの音がし、友達2人が来てくれた。



彼等は昨夜の僕の醜態や奇行の
詳細に至るまでを事細かに語ってくれた。

朝方苗字から誤って祖母に電話をかけてしまったことや
僕がトイレに立てこもり終始うめき声をあげていたこと、その度に叱咤激励してくれたこと
また居酒屋の看板を壊し弁償したこと
力の入っていない人間の身体はいかに重かったかということ
以上の話を不謹慎ながらワクワクするような面持ちで聞いていたのは明らかだ。


僕は確実に幸せ者だったが、あらゆる迷惑をかけてしまったことを即座に悔やんだ。
同時にその地獄絵図とやらを是非とも拝んでみたかった。

次の日のパーティ(凝りてないw)では酒は一滴も飲まなかったし
事件現場となった居酒屋にも近々詫びを入れにいこうと思う。
出禁になってなければだけど。



とにかくお世話になった皆さんにこの場を借りて感謝と謝罪の言葉を述べさせていただきたいと思います。
ありがとうございます。御迷惑をおかけしてすみませんでした。
恩に着ます。




いかんせん初めての経験で、特に急性アルコール中毒など都市伝説だと信じ込んでいた自分にとって
少なからず人生観に影響を与える経験になった。


人生ってなんでも起こるんだなぁ。
人間の身体って繊細なんだな、簡単に死ねないんだな。

帰り際いつもの風景がとびっきり輝いて見えたのはなんだったんだろう。
きっとまだまだ見えてないものがたくさんあるんだろうな。




m.hayashi

タイトルなしPageTopみたままつり

Comment

本当に…ね~

大変な経験でしたね!

そうよ~
人間はそんなに簡単に、死んだりしないわよ!

あんな小さな赤ちゃんでさえ、生きる力がみなぎってるし、病気にも打ち勝つんだから…

ただ…

思いもよらず、倒れてしまい、人生が180度変わってしまう人もいるってことも、確か。

大変な命だから、大事にね

誤字[i:63915][i:63915][i:63915]

大切な命だから…

でした

改めて先日はありがとうございます。
ほんとうに、簡単にぽっくり逝ったりはしませんね。
未だアルコールをほとんど摂らない生活を送ってます。
しっかり生きていかなければ。

m.hayashi

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